音高・音大を受験する方のための練習方法と、オススメの受験曲との向き合い方

どこの音高、音大にも、受験する際は課題曲があり、本番はいくつかの曲を暗譜で弾かなくてはなりませんね。

これは容易なことではなく、練習の段階から本番のその日に向けて質の良い練習を積んでいかなくてはなりません。

また、音高や音大の受験そのものに「こんな自分でも大丈夫なのかな・・・」と不安を抱えている方も少なくないでしょう。
そんなアナタのために、今回は音高・音大受験当日までに、今から取り組みたい練習方法について紹介していきたいた思います。

Contents

1.練習時間と練習環境

先ず練習時間についてですが、よく「ピアノは7.8時間練習しないといけない」と言われますが、決してそんなことはありません。
ダラダラと長時間練習するよりも、短時間でも集中して取り組むことが大切です。
しかしここでの短時間とは最低1日2.3時間のことです。(*’ω’*)
また練習環境についてですが、時々テレビをつけながらその横で練習しているという声を聞きますが、これではどうしても集中力が散漫になるので止めましょう。
また、「音大を受験するならグランドピアノにしないといけないの?」という声も聞きますが、そんなことはありません。
勿論グランドピアノの方が良いです。
購入出来るのならばするべきですが、
音大や音高に通うことになればグランドピアノでの練習は学校で可能になります。家庭の事情で、グランドピアノが買えない家庭もあると思います。しかし、だからと言って音高や音大を諦める必要は全くありません。

2.レッスンは録音する

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レッスンはなるべく録音しましょう。
そしてレッスンから帰った後で落ち着いて楽譜を開き、とった録音を聞いてみましょう。
こうすることで、よりレッスンで先生に言われたことをきちんと吸収することができるし、復習することができます。
今は携帯の無料アプリでも高性能なものがあるので、是非使ってみてくださいね。

3.大きな目標、小さな目標を立てる

レッスンで学んだこと、指摘されたことなどを踏まえて次週までの目標をまず立てます。そして更に毎回の練習にも目標を立てましょう。
そして毎日の練習の最後はまた録音をとるようにしましょう。その録音を聴いて次の日の目標を立てましょう。
小さな上達をきちんと感じられることでモチベーションの維持にも繋がりますし、客観的に自分の演奏を聴く姿勢が身に付きます。

4.技術的な面における練習

指が転ぶ、滑る、鈍い…と言った、いわゆる技術における練習をする際は、少し機械的な練習が必要となります。
弾けない部分だけ、ひたすら繰り返し練習です。
リズム練習、和音で掴む練習、逆から弾く練習、指番号を言いながら弾く練習、とにかく様々な練習を試して、そのパッセージにあった練習法を見つけましょう。
とても地道な練習になります。気長に、信じて頑張りましょう。
また、中には『力み』が原因で指が動かない場合もあります。
この場合は直ぐに治すことはとても難しいです。弾き方の矯正が必要となるので、時間がかかります。
例えばショパンのエチュードが手首が痛くて最後まで辿り着かない…こんな場合は別の曲に変えることが最優先です。そのまま無理に練習を続けても弾けるようにはならないし、腱鞘炎になる恐れもあります。
また手首が痛む原因はきっと良い脱力の仕方を知らないからです。
先ずは筋肉の使われ方や身体の使い方を改めて知る必要があります
近年ピアニストの身体の使い方について書かれた本もいくつも出版されているので、参考にしてみると良いと思います.

5.弾く曲やその作曲家についての勉強をする

作曲家達は一曲一曲にメッセージを込めています。
それは喜びであったり、悲しみであったり怒りであったり…誰しもが抱く感情からくるものです。
その曲にはどんなメッセージが込められているのか、調べてみましょう。。
今はとても便利な時代でネットで検索すれば直ぐに沢山の情報を得ることができますね。そういった身近なところから始めるのでも良いですが、間違った情報の可能性もあるので、正直あまりオススメはできませんが(´-`).。oO
研究者達が書いたものは本として沢山出版されていますので、本がオススメです。
市の図書館にも作曲家達の本は沢山置いてあります。
是非近くの図書館に足を運んでみてくださいね。

知識を身につけ、自分の弾く曲について自分なりにイメージを膨らませましょう。

6.演奏会を聴きに行き、耳を養う

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演奏会に行く場合は少し値段が張るぐらいの演奏会がオススメです
故中村紘子さんは、あるエッセイでこのようなことをおっしゃっていました。
「10時間ピアノの練習をするよりも、演奏会に行って良い音を耳にすることの方が何倍も勉強になる」と。
私もとても同感です。
聴く耳を養うことは上達への1番の近道とも言われています。
良い音、良い音楽を聴いて沢山感動しましょう。
そして練習では、自分の出した音、一音一音に耳を傾けましょう。

7.オススメの暗譜の仕方

さて暗譜の練習についてです。
普段は暗譜でも弾けるのに本番だと緊張して頭が真っ白に…なんてことありますよね。またそうなりそうで怖くなりますよね。
そうならないための練習法があります。
片手ずつの暗譜をするのです。
両手だと暗譜できても片手ずつは意外と難しいものです。
そして、本番アクシデントを起こしやすいのが左手です。
右手はメロディを弾いてる場合が多いので途中で止まったりはあまり起こりませんが、左手が急にいなくなることはよくある話です。
身体では覚えていても脳がきちんと左手の動きを覚えられてないのです。
ですから、左手だけでの暗譜ができるようにしましょう。

8.本番のための練習をする

どんなに練習を積んでもやはり本番は緊張するものですね。

受験日の一カ月前ほどから、本番に慣れることを始めるとよいでしょう。

例えば、近所の人に集まって聴いて貰ったり、友達に聴いて貰う。

どなたでも良いので、普段とは違った環境をつくり、そこで誰かに自分の演奏を聴いて貰う。

また、この際にどこかホールやスタジオを借りることで、より本番の雰囲気を感じることができます。

こうしたことを何度かすることで、本番の雰囲気を体感することができ、受験本番でパニックになることを防ぐこともできます。

受験に向けて大事なのことは、それから音高、音大生活においての練習と同じことだと私は思います。

目の前の楽譜にだけとらわれず、幅広い角度からその曲と向き合いましょう。

そしてピアノに向き合う時間は常に目的をもって練習をしましょう。