ピアノを弾く時はなぜ爪を切らないといけないの?

ピアノの先生に「爪伸びてるじゃない!」「爪は短く切りましょうね。」と言われた経験がある生徒さん沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

ーーーとは言われてもついつい伸ばしてしまう爪・・・(-“-)

今回は、何故ピアノを弾く時に爪が伸びているとダメなのかについてご紹介していきたいと思います。

実はそれにはあなたが思っているよりも深い理由があるんです。

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爪が伸びていると正しい指の形が保てない

実は爪が伸びてしまっていると、正しい指の形でピアノを弾くことができなくなります。

正しい指の形を保てないということは、きちんと打鍵することができないということです。また、きちんと打鍵できないということは、指を速く動かすことがとても難しくなりますし、響きのある良い音で弾くことも出来ません。また、曲を弾くにあたって情感を出すために様々な音色を指先でつくらないといけません。

と言ってもピアノという楽器は誰が弾いても音は鳴りますね。

ーーー実はそれこそが落とし穴なんです。

簡単に音が出てしまうからこそフォームの重要性がなかなか伝わらないのが現状です。

例えばこれがピアノではなく野球、水泳などのスポーツだったり、料理の際の包丁の使い方だとどうでしょう。

フォームこそが大事と誰もが感じますよね。

フォームが崩れていたり悪かったら、良い球は投げれないし、スムーズに泳ぐことも出来ません。綺麗に食材を切ることも出来ませんし、フォームが原因で怪我をしてしまう恐れがあります。

先にも言いましたがピアノも全く同じです。

ですから爪を伸ばしたままピアノを弾いてしまっている方は、知らず知らずに損をしています。

爪はこまめにチェックするようにしましょう。

鍵盤に触れる部分はここだけ!

正しい指の形をしているときに鍵盤に触れる部分はたったのここだけなんです。

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鍵盤に触れるのは指先と第一関節を3等分したぐらいの僅かな面積です。

しかし指の爪が伸びている状態だと、実はここの部分がどうしても浮いてしまうのです。

そのため、時には第一関節ぐらいまで鍵盤に触れている生徒さんもいます。

関節を出す

指先をこの状態で維持するには、ついつい凹んでしまう第一関節を外側にきちんと出して支える必要があります。

また例えになりますが、例えばサッカ選手の足首ってとても太いし丈夫ですよね。それは、向かってくるボールの衝撃をきちんと食い止め、蹴り返す力が必要で、その為には足首が貧弱では絶対に無理だからです。

また、今度は実際にボールに触れる部分「足」がふにゃふにゃだとどうでしょう。ボールを食い止められないし、蹴るのも無理ですね。そして足も足首も連動しています。

ピアノも実はこれと全く同じなんです。一つ一つの関節で指をしっかり支えないときちんとした音を出すことは出来ませんし、素早い動きも無理です。

関節が凹んでいたら指もペコッとなります。

一回一回打鍵するたびに指先がペコッとなってしまっていてはきちんと打鍵することが出来ないですし、指の動きはとても鈍くなります。

強弱はもちろんつけられませんし、ひどいば

普段はなかなか使わない筋肉

さて、これまで紹介してきた指の形や支えについてですが、その場で指摘をしてもなかなか維持することができない生徒は沢山います。

それは、普段からなかなか使う筋肉ではないからなんです。

私たちの私生活において、指先一本一本の筋力が必要になる動作はほとんどないといってもよいでしょう。

ですから、なかなか維持ができないんです。

ですからピアノを弾いている時に毎回気をつけて、少しずつ関節を丈夫にしていくしかないのです。

これは1日、1週間、一カ月で出来るようになるものではありません。

とにかく積み重ねていくことが大切で、また、確かなタッチこそが上達への近道になります。

楽譜に並んだ音通りに指を動かすことだけに捉われず、先ずはピアノを弾く上で大切な姿勢、フォーム、タッチの在り方と必要性を考え実践することをオススメ致します。